アルミ合金のはなし
アルミニウムは金属の中では軽量であるために利用しやすく、また、軟らかくて展性も高いことから加工し易い金属です。
さらに表面にできる酸化皮膜のために耐食性もあることから、一円硬貨やアルミホイル、アルミ缶、鍋、サッシ、エクステリア、建築物の外壁、道路標識、エンジンのシリンダー、自転車のフレームやリム、パソコンや家電製品の筐体など様々な用途に使用されています。ただしほとんどはアルミニウム合金としての利用であり、アルミニウム100%で使われているのは1円硬貨など稀になります。

アルミニウムの特徴

軽い金属
アルミ合金の比重は約2.7で、鉄の7.9やチタンの4.5より軽い。
耐食性に優れる
時間とともに自然に酸化皮膜が形成され、自己防護するので鉄のような赤錆を生じることはありません。
導電性が良い
銅の約60%の導電性をもちながら比重は約半分です。この特性を生かして、送電線や配電線として利用されています。
熱伝導性が良い
熱を伝えやすいので熱交換器、エンジン部品や、鍋、ヤカン等の家庭用品にも使われています。
磁気を持たない
電磁気の磁場にほとんど影響されることは無く、磁気を帯びることもありません。
毒性が無い
毒性が無く、食品類との反応もありません。
リサイクル可能
回収資源として他の金属に比べて非常に扱いやすく、再活用など循環型社会に適した金属です。
反射性が高い
アルミの表面は光や熱、電波をよく反射するので、照明器具やストーブの反射板やミラーとして使われています。

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アルミニウムの種類

展伸材 非熱処理型合金 純アルミニウム(JIS呼称1000番台)
Al-Mn系合金(JIS呼称3000番台)
Al-Si系合金(JIS呼称4000番台)
Al-Mg系合金(JIS呼称5000番台)
熱処理型合金 Al-Cu-Mg系合金(JIS呼称2000番台)
Al-Mg-Si系合金(JIS呼称6000番台)
Al-Zn-Mg系合金(JIS呼称7000番台)
鋳造材 非熱処理型合金 Al-Si系合金
Al-Mg系合金
熱処理型合金 Al-Cu-Si系合金
Al-Cu-Mg-Si系合金
Al-Mg-Si系合金
アルミ合金の用途例
1000系
(例)
A1050
A1100
A1070
A1085
工業用純アルミを示し、いづれも99.00%以上の純アルミ材料です。
因みにA1100はアルマイト後に光沢を良好にするため、銅が微量添加されています。
1050、1070、1085はそれぞれアルミ純度が99.50%、99.70%、99.85%以上をしめしています。
この系の材料は、加工性、耐食性、溶接性などに優れていますが、強度は低いです。
主な用途は1円硬貨、強度の低い家庭用品、日用品、電気機器、熱交換器、銘板、装飾品
などになります。
2000系
(例)
A2017
A2024
ジュラルミン、超ジュラルミンの名称で知られるのがA2017とA2024で鋼材に匹敵する強度を持ちます。
銅を含有しているため、耐食性はやや劣り、防食処理が必要です。
主な使用用途は航空機部品、ロボット部品、自動車部品などになります。
3000系
(例)
A3003
マンガンの添加によって純アルミより強度が若干高くさせた合金です。
成形性、溶接性、耐食性に優れています。
主な使用用途は、一般器物、建材、船舶用材、フィン材、各種容器等になります。
4000系
(例)
A4032
シリコンを多く含むアルミ合金で、熱膨張率が抑えられており、また耐摩耗性も付与されています。
A4032は線膨張係数が他のアルミ合金の約80%程度しかありません。
主な使用用途は鍛造ピストン材料、ビル建築の外装パネルなどになります。
5000系
(例)
A5052
A5083
マグネシウムを含有するため、中程度の強度を持ち、耐食性、耐海水性にも優れています。
溶接性に優れ、アルマイト処理で装飾に優れた表面にも仕上げることができます。
マグネシウムの添加量を多くすれば、強度は上がる反面、一定以上になると応力腐食割れの危険性が
あります。非熱処理型のアルミ合金の中では最も強度の高い種類のアルミもこの5000系に入っています。
主な使用用途は、自動機の部品、構造材、車両用などになります。
6000系
(例)
A6061
A6063
成分にマグネシウムとシリコンを添加したタイプのアルミ合金で、強度・耐食性に優れるため、
構造材料としても使われるます。ただし、溶接には弱く、アルミの長所でもあるはずの熱伝導率の
関係で、溶接箇所だけでなく周辺部位まで熱による強度低下が起きてしまうため、ボルトやナットなどの
機械的な接合が用いられることの多い材料です。応力腐食割れにも強く、押し出し性にも優れます。
主な用途はサッシなどの建築材料です。
7000系
(例)
A7075
A7N01
成分に亜鉛とマグネシウムを添加したアルミ合金で、熱処理を行うことで現存するアルミ合金中、
最も高い強度を得ることができます。
銅を添加した物は超々ジュラルミンと呼ばれ、航空機・モータースポーツ業界に使用されています。
銅を添加していない物は、溶接構造用材料として、鉄道車両等に採用されています。
8000系
(例)
A8011
他のアルミ合金である2000系や5000系、7000系など材料のうち、高強度用の合金に対してさらに
リチウムを添加し、ヤング率の向上や密度の低減などをした材料です。
今までの部類に属さない材料で、キャップ、各種容器、電気通信用などに使われます。
代表的な物だと鉄を添加したアルミ箔があります。

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アルミニウム合金の表面処理加工

いろいろな特長を持ったアルミニウム合金ですが、表面処理をすることでさらに活用の範囲が広がります。
ひとくちにアルミニウム合金といっても、下表のように様々な違いがあります。
尚、アルマイトとメッキは全く異なるものですが、比較のために表にしています。
アルミニウム合金への表面処理の適正
アルミ材質 アルマイト Niメッキ
白(無地) カラー 硬質 電解 無電解
A1050、A1100
A2017、A2024
A5052、A5083
A6061
A7075
◎・・・比較的容易
○・・・普通
△・・・比較的難しい
表面処理の内容
①アルマイト・・・・・・ 陽極酸化皮膜処理のことで、アルミ合金に耐食性酸化皮膜を施すこと。
多孔質で電気絶縁性耐摩耗性が高い。
②カラーアルマイト・・・ 多孔質膜の特性を応用し、染色法により着色したもの。
③硬質アルマイト・・・・ アルミ合金の表面処理で陽極酸化皮膜処理のうち、硬度(Hv)350以上のもの。
④電解Niメッキ・・・・ 加工物をメッキ液中で陰極として電解し、表面に金属膜を析出させる電気めっき。
⑤無電解Niメッキ・・・ 電気を用いず、金属塩水溶液中の金属イオンを還元剤に用いて、加工物表面に還元析出する。

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技術や情報に関する記述は、弊社技術部門及び下記の資料を参考に記載しております。
高谷松文(著) ◯ 機能性アルマイト
日本規格協会 (編集) ◯ JISハンドブック 金属表面処理
産業技術サービスセンター(出版) ◯ 表面処理対策Q&A1000
◯ 防錆・防食技術総覧—工業材料を使用環境から保護するための
エヌ・ティー・エス(出版) ◯ 表面処理技術ハンドブック—接着・塗装から電子材料まで
日刊工業新聞社(出版) ◯ 表面技術便覧
一般社団法人日本アルミニウム協会(データベース) ◯ アルミニウム材料エンジニアリングデータ
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